ろ〜りぃ&樹里とゆかいな仲間たち

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君は容貌の美醜を以て……
久坂玄瑞と云う男がいた。
高杉晋作と共に、「(松下)村塾の双璧」、或いは「松門四天王」(久坂、高杉、吉田稔麿、入江九一)と称された男である。
妻は文。吉田松陰の妹である。
文との縁談には、玄瑞の才能を高く評価していた松陰の強い勧めがあった。
ところが玄瑞にとっては、気の進まぬ相手、もっと云えば、迷惑な話であった。
と、云うのも、文が美人でなかった、ハッキリ云えば、ブサイクであったからである。
文との縁談を持ちかけたのは、松下村塾の先輩である。(司馬遼太郎氏の『世に棲む日々』では、玄瑞のほうがこの縁談について相談したことになっている。)
この先輩は、玄瑞が躊躇している理由を知ると、
「恥ずかしいとは思わぬのか」と、一喝した。
そして、
「君は容貌の美醜を以て、妻(の価値)を決めるのか」
と、続けた。
玄瑞は恥じ入り、文との縁談を承諾した。
一喝した先輩も立派ならば、おのれを恥じた玄瑞もまた、立派である。
| Woody(うっでぃ) | 人物往来 | 21:47 | - | - |


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