ろ〜りぃ&樹里とゆかいな仲間たち

Blog(日記)と云うよりはEssay(随筆)
Essay(随筆)と云うよりはSketch(走り書き)
Sketch(走り書き)と云うよりは……?

 注)タイトルに「*」のついた記事は「ネタバレ記事」です。ご注意ください。
  << November 2024 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
「で」か「に」か
過日某所にて、『歌姫』を聴く機会に恵まれた。
ギターの弾き語りである。
歌い手はまさに題名どおり“歌姫”と呼ぶに相応しい妙やかなる女性で、その歌声はほのかなる色気を滲ませてしっとりと漂い、玲瓏なるギターの音色と相俟って、聴衆を甘美なる夢幻の境へと誘った。
その情感たっぷりの表現力に舌を巻き、心地よいひとときを過ごしたのだが、ふたつほど、気になったところがあった。
いずれも歌詞の部分で、ひとつは「せめておまえの唄を 安酒で飲み干せば」に続くところである。
その歌い手さんは、「船のデッキで 立つ自分が見える」と、歌っておられたのだが、ここは、「船のデッキに」ではなかろうか、と云うことである。
「船のデッキで」となると、「で」の音が重なって、くどくなる。「で」、「で」と、念を押されているような感じがする。ために、そのあとに続く「立つ自分が見える」が、想像上の出来事であるにもかかわらず、現実感が強くなり、幻想的な色あいが褪せてしまう。
「船のデッキに」となると、「に」の音が軽く、浮遊するような感じがして、「立つ自分が見える」と云う幻想の光景がより淡く、ほんのりと印象される。
後日確認してみると、やはり正しくは「船のデッキに」であり、我が語感もなかなかであるわい、と、大いに意を強くしたことであった。
もうひとつは「やせた水夫 ハーモニカを吹き鳴らしてる」、「やせた蝶々 蜜を探し舞い降りている」と、対になっている部分である。
ここも「水夫」と「蝶々」が対になっているわけだが、それがどちらも「やせた」と形容されているのは、いささかくどいのではなかろうか、と、思ったのである。
こちらも確認してみると、これはこれで正しかった。
我が語感も思ったほど大したものではないようだ。

| Mac | らいぶ☆にゅ〜す | 17:02 | - | - |


CATEGORIES
LINKS
PROFILE
OTHERS