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ルパン三世と云えば……
ルパン三世と云えば、日本が世界に誇るアニメ・シリーズである。
その熱烈なファンは、ただに日本国内のみならず、広く世界の各国に存在している。
そのルパン三世の、TVスペシャルシリーズ第2作に、『ルパン三世 ヘミングウェイ・ペーパーの謎』と云う作品がある。1990年の7月20日に、日テレ系の『金曜ロードショー』で放送された。
その冒頭の場面で、ルパンが次のようなセリフを云っていた。
「世ぉの中、情報化社会、情報化社会、なんつってけどもよぉ、本当に必要な情報なんてのは、ホンの、一握りだけなんだよぉ」
インターネットの普及によって、得られる情報量は格段に多くなった。
しかし情報量が多くなっても、それがただちに、情報の質が良くなることには結びつかない。
量の大小増減は質を規定しない。
情報量の多さは質の面から云えば、混沌をもたらす。
或る情報と真逆の情報が、それと正反対の情報と同じ確からしさをもって述べられている。
そこで、玉石混淆する情報の中から、真に必要な情報、真に真たる情報を抽出する能力が必要になってくる。
情報を分析綜合して或る意見を形作るのは、それからである。
さらに意見にとどまらず、一定の見解を得るためには、相当な思惟上の訓練を要する。
哲学は、副次的な効果であるとは云え、その訓練のためには、非常に有効である。と、云うよりもむしろ、哲学の学習こそが、思惟を訓練する唯一の方法である、と、云っても、過言ではなかろう。
哲学の学習すなわち思惟の訓練、ではないにしても、である。
| 哲ッちゃん | コラム―哲学もどき | 15:23 | - | - |


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