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漱石の日
昨2/21は、“夏目漱石の日”だったそうである。
漱石は、鴎外などとは違って、真に“文豪”と称されるに相応しい作家であり、大好きな作家のひとりなのだが、その漱石が文部省から博士号を授与されることになったとき、

ホトトギス 厠半ばに 出かねたり

の、句を詠んで、これを辞退したことは有名な話である。

それが2月21日のことだったので、この日を以て、“夏目漱石の日”としたのだ、と、云うことである。

漱石はその著、『彼岸過迄』を公けにするにあたって、「文壇の裏通りも露路も覗いた経験」のない、「全くただの人間として大自然の空気を真率に呼吸しつつ穏当に生息している」、「教育あるかつ尋常なる士人の前にわが作物を公けにし得る自分を幸福と信じている。」
と、述べている。

そんな漱石にとって、勿体らしい博士号など、無用の装飾であったであろう。
いやむしろ、侮辱とすら、感じられたかもしれない。
博士号の授与を“侮辱”と感じる心性は、漱石の作品を読めば、よく解かるだろうと思う。
| 築山散作 | 気まぐれなコラム | 10:08 | - | - |


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