2015.12.05 Saturday
異常? 正常?
秀吉の側近たちが集まり、深刻な顔をして、ヒソヒソと話し合っていた。
「畏れ多いことながら、どうも我が殿は、異常としか思えぬ」 「貴殿も左様に思わるるか。じつは身どもも、かねてより気がかりだったのじゃ」 「いやいや、拙者とて同じこと。いかように考えても、尋常ではない」 「これではお家の行末が案じられる」 みな顔を見合わせて、深い溜め息をついた。 「なぜに我が殿は、女性ばかりに興味を示されて、稚児には見向きもされないのであろうか」 異常の、正常のと、ワイワイガヤガヤかまびすしいようですが、異常も正常も、そのときどきによって、変わるものなんじゃ、ないですかねぇ。 大事なのは、相手が同性か、異性かじゃなく、どれだけその相手を大事に思っているか、その“こころ”なんじゃないでしょうかねぇ? まぁ、もっとも、地位や名誉や生活のために、相手を選ぶ人たちには、こんな“こころ”は、ご理解いただけないでしょうがねぇ。 |