2016.10.28 Friday
ちょっといい言葉 其の七〜どうしてくりょう三分二朱
「どうしてくりょう、三分二朱」
聞くところによると、江戸時代、十両盗んだ者は、無条件で打首の刑に処せられたそうである。 九両三分二朱は、十両にわずかばかり足りない。そのため、すんなりと打首には出来ず、面倒な手続きを要したらしい。 そこで―― 「どうして九両三分二朱なんて、ハンパな金額を盗んだんだ。十両だったら、なんの苦労もなく、打首に出来たのに」 と、関係の役人は悔しがり、「この下手人、どうしてくれよう」という思いと、「どうして九両…」という思いが入り混じって、冒頭に記した、「どうして九両(金高の“九両”と、“くれよう”のなまった“くりょう”の掛け詞)三分二朱」と、なったわけである。 |