2017.03.25 Saturday
だれにでもある名曲
だれにでも、心に残る名曲と云うものがある。
ある人たちにはキャンディーズであったり、ある人たちにはピンク・レディであったり、またある人たちには、グループ・サウンズであったり、ビートルズであったり、あるいは福山雅治、AKB、モーニング娘、欅坂……。 人それぞれに、自分の中の名曲、忘れ得ぬ曲、と、云うものがある。 しかし、古今東西、いかなる人と云えども、けっして忘られ得ぬ名曲、と、云えば、自分が通い、学び、そして巣だった、学校の、校歌ではあるまいか。 小学校、中学校、高等学校、そして大学……。 社会に出て、幾多の苦難に遭遇したとき―― ――なにくそ、こんなことで、負けてたまるか。 と、思った人は、多いだろう。 そして、そんなとき、頭をよぎって流れるのは、あの懐かしき故郷の、あの、校歌では、ないだろうか。 若き日、思い出多き故郷を後にして、東京に出てきた或る歌人は詠んだ―― ――故郷の 山に向かいて 云うことなし 故郷の山は ありがたきかな また、或る歌人は詠んだ。 ――故郷は 遠きにありて 思うもの 故郷に在って、故郷のために尽くす者、故郷を離れ、故郷を思って働く者……。 いずれにしても、その若き日、青春の血を燃やし、友と夢を語り合い、人を愛し、人に恋し、先生先輩に、あるいは反撥し、あるいは慕い、そしてまたあるいは真剣にぶつかり合った、あの日々は、決して脳裏を過ぎ去ることはなく、人生航路の荒波を乗り越えるよすがともなる……。 この春、学窓を巣立ち、新たなる人生の節目を迎える若き人たちには、自分たちが学んだ学校の校歌を忘れないように、切に願いたい。 そしていずれの日にか、ともにみんなで、その校歌を歌える日の来ることを、願ってやまない。 |