2019.06.12 Wednesday
恋人の日のひとりめし(朝)
トースト(6枚切り×2枚)、半熟卵(2個)、プレーン・ヨーグルト、野菜ジュース、バナナ、生野菜サラダ、チェダー・チーズ
今日は“恋人の日”であるらしい。 Wikipediaによると、“ブラジルにおいて縁結びの聖人とされるアントニオの命日の前日であり、当国では恋人同士でフォトフレームを贈り合う習慣がある”と、あり、ブラジルでの話であるらしい。ところが、“日本でも普及を狙い1988年に全国額縁組合連合会によって制定”された、と、云うのだから、いかにも日本らしい。 外来文化を摂取するにやぶさかでない、と、云えば聞こえはいいが、引用にもあるとおり、その普及を狙って制定したのが、全国額縁組合連合会なる組織、と、云うのだから、商売ッ気マンマンである。 愛情による個人のつながり、恋愛感情を基礎として相手を一人の人間、個人として尊敬し、その尊厳を共有し合う、と、云う、もっとも崇高に純化された精神形態の一段階に対しては、なんらの関心もないと見える。浅ましいことである。 バレンタイン・デーはチョコレート、ホワイト・デーはマシュマロやクッキー、ハロウィンはコスプレ・グッズで、クリスマスはケーキ……。 どうせなら、サン・ジョルディ―の日を流行らせて、本を読む人を増やすようにしたらいいのに、とは、もちろん、散作の言である。 わたいとしては、6月6日の芸事の日を流行らせて、みな──とりわけ、定年退職した高齢者男子──が、趣味習い事をはじめて、充実した、心ゆたかな老後を過ごせるよう試みてはいかがであろうか、と、思うのだが、いかがであろうか。 もっともそのことと、わたいの食卓に並ぶ献立とには、なんらの関連もない。 恋人とも額縁とも、外来文化の変態受容とも、まったく関係のない、いたって非文化で殺風景な、いつもながらの朝食である。 |