2014.06.24 Tuesday
竜とは本来……
竜とは本来おとなしい動物で、子どもでも容易に手なずけられるそうである。
ところが、数多の鱗(ウロコ)に覆われた竜の喉元に、一枚だけ、逆さまに生えている鱗があり、この鱗に触れられると、竜はタチマチ狂暴になり、どんな猛者の手にも負えなくなるのだそうである。 このことから、「逆鱗に触れる」と云う言葉が出た。 出典は『韓非子』である。 人間にも、この「逆鱗」がある。 と、云うよりも、どんな人間にもある、この点を、竜を引合いに出して、説いているのである。 人によって、「逆鱗」はマチマチである。 人によっては苦い過去だったり、イヤな言葉だったり、矯正できない悪癖だったりする。 他の人からすれば、 「それぐらいのこと……」 に、過ぎないかもしれない。 あるいは、 「ほんとのことじゃないか」 と、云うかもしれない。 しかし、本人にとっては深刻なことであったり、許しがたいことであったりするのは、よくあることである。 やっかいなのは、その「逆鱗」がどこにあるか、それがなんなのか、竜のようにはハッキリと分からないことである。 だからこそ、気をつけねばならないのである。たとえ、「竜のようにおとなしい」人であったとしても……。 |