2014.12.13 Saturday
歴史は繰り返す、と云うが……
歴史は繰り返す、と、云うが、かつて岸内閣は、衆議院を解散して(いわゆる“話し合い解散”)総選挙に勝利すると、第2次内閣を組織して日米安保条約の改定に邁進した。
結果、歴史に残る国民運動、安保反対の大騒動を巻き起こした。 今回の衆院選で、与党が圧勝するであろうことは、ほぼ既定事実となっている。 第3次安倍内閣では、衆院選の争点に掲げた「アベノミクスの是非」は背後に隠され、安全保障、すなわち集団的自衛権行使のための法整備が前面に出てくるだろう。 安倍首相は衆院選での圧勝で得た多数の議席を背景に、「国民の信任を得た」との名目を掲げて、集団的自衛権行使のための法整備に邁進するだろう。 これはなにも、安倍氏が岸氏の孫であり、歴史は繰り返す、と、云われるから、と云うばかりの理由からではない。 内に不満が高じれば、外征を興してその不満をそらす、と、云う手法は、古来、洋の東西を問わず、為政者たちが採用してきた常套手段である。 内政(この場合は「アベノミクス」と云われる経済政策)が効果をあげなければ(あげない、と、吾人は思うのだが)、その失政を覆い隠すために、外国の軍事的脅威を扇伝し、外政(この場合は集団的自衛権行使のための法整備)に力を傾注することになろう。 そのさい国民が、かつての安保騒動のような大規模な反対運動を展開するかどうか、どうもしないように思われる。 デフレ脱却はいつまで経っても「道半ば」のままで、徒らに防衛力や米軍への“思いやり予算”のみ、増加するようになるであろう。 はたして国民は、いつまでそのような状況に耐えることができるのであろうか。 日本国民の辛抱と我慢の限度が試される、歴史における実験が、衆院選後から始まろうとしているように思われる。 |