2014.11.08 Saturday
「歴史」と「哲学」
「歴史は暗記物である」
「哲学はワケの分からぬものである」 これが世間一般の、歴史や哲学に対する、評価ではないでしょうか。 じつに悲しむべきことです。 数学は、自然科学の基礎学問です。物理学や化学は云うに及ばず、天文学や地質学、生物学でさえ、数学の素養がなくては成立しません。 それに匹敵する――いえ、その上に位置する――基礎学問が、歴史と哲学なのです。 いかなる学問も、いやしくもそれが「学問」と云われ得ようとするならば、歴史と哲学の素養がなくてはなりません。それは、社会科学や人文科学の領域においてのみならず、自然科学の領域においてさえ、そうなのです。 その証拠に、あらゆる学問分野において、――ときとして、学問以外の分野においてすら、――「〜史」、「〜哲学」と、接尾できな領域のものはないでしょう。 「文学史(文学哲学)」、「政治史(政治哲学)」、「音楽史(音楽哲学)」、「自然史(自然哲学)」、「数学史(数学哲学)」、等々、です。 さらに、歴史と哲学は、相互に接尾語たり得ます。 「哲学史」、「歴史哲学」です。 これを以てしても、歴史と哲学が、学問中の学問、真の基礎学問であることが、お分かりいただけることと思います。 |