2017.03.24 Friday
悪魔のおとぎ話
実はかぐや姫は、月の婚約者だった。
ところが太陽がかぐや姫の美しさに迷い、ムリヤリ自分の妻にしようとしてきた。 月も天空の星々を従える一方の雄だが、太陽の力には敵わない。 そんな太陽の魔手から自分の婚約者を守るため、月はかぐや姫を、地球の竹と云う植物によく似た宇宙船(ロケット)に乗せて、地球に逃したのである。 かぐや姫が地球で暮らしているあいだに、月と太陽との協定が妥結した。 かぐや姫さえ了承すれば、月と太陽、両人(?)平等公平に、彼女の夫となろうではないか、と、云うものである。いわゆる“一妻二夫”である。 かぐや姫にも異存はなく、こうして昼夜ともに、晴れてかぐや姫を妻とすることになったのである。 さて、月と太陽、両人を夫に持ったかぐや姫であったが――、 月も太陽も、相手がコトを終わるやいなや、即座に彼女を自分の臥所に引きずり込む。 その早さに呆れながら、 「お月さまもお日さまも、ほんとに早く回復するのね」 と、云うと、 月も太陽も声をそろえて、 「月日のたつのは早いものよ」 |