2014.07.06 Sunday
たしか、宇野内閣時の……
たしか、宇野内閣時の参議院議員選挙の時だったと思う。
この時の選挙は、消費税の導入、リクルート社の未公開株譲渡問題、宇野首相の女性問題、と、いわゆる逆風三点セットで、自民党にとっては、結党以来初めてとも云える、苦しい選挙であった。 一方、当時の野党第一党である社会党の党首、土井たか子氏の人気はすさまじく、社会党はその人気と自民党の不評を利して、多くの女性を議員候補者として立候補させた。その勢いは、“マドンナ旋風”と呼ばれたものだった。 自民党は参議院における与野党逆転の危機に直面した(事実、この時の選挙結果で参議院における与野党の議席数は逆転し、憲政史上初の「ねじれ国会」が現出した)。 その危機感ゆえか、土井たか子氏の人気をやっかんだのか、とある自民党議員が、 「子供を産んだことのないヤツに総理が務まるか」 と、のたまった。 もちろん各方面から、女性蔑視だ、と、批難された。 海外のメディアも採り上げたが、欧米のどこかの新聞の書き方がユニークだった。 曰く、 「いままでの日本の総理は、子どもを産んでたのか」 あれから二十数年の歳月が経つが、女性を蔑視し、それを蔑視とも思わず当然のことと思い、そう思うことによって男性と云う性をも蔑んでいることに気づかない貧しい心性は、“美しい日本の伝統的な家庭像”と云う衣をまとって、脈々と受け継がれているようである。 ついでながら、事に際して、ユーモアや諧謔、皮肉やウィットで応じられない機転のなさも、しっかり、受け継がれているようである。 |