2014.09.09 Tuesday
「井戸塀政治家」と云う言葉がある。
「井戸塀政治家」と云う言葉がある。
正確には、「あった」と、云うべきであろう。 これは、政治家になるには金がかかる。選挙に出るには莫大な金が要るし、いろいろな人間の面倒も見なければならない。その金を工面するために、先祖伝来の山林田畑を売り払い、遂には家屋敷まで手放して、あげくには、井戸と塀しか残らないようになる……、と、云うところからきた言葉である。 幼時この言葉を教えられた吾人は、 「なるほど、政治家になったら、あちこちからようけ金もらえるようになるし、そうなったら、井戸や塀のある家にも住めるようになるねんなぁ」 と、思い、その勘違いを嗤われたものである。 しかし世の中には、「無知の諧謔」と云う言葉がある。 案外現在では、吾人の幼時の解釈のほうが、「井戸塀政治家」と云う言葉の真実をうがっているような気がしてならない。 |