2014.12.05 Friday
衆議院議員選挙が公示され……
衆議院議員選挙が公示され、選挙戦が本格的に始まった感がある。
もっとも、「選挙戦が本格的に始まった」と、実感して目の色を変えているのは、当の政治家本人たちと、一部の狂信家や迷妄家(いわゆる「ウヨク」や「サヨク」)の連中くらいだろう。 野党の各士並びにその支持者の方たちには残念だろうが、現在の情勢では、自民党の優位は揺るぎないように思われる。 野党各党は今回の解散について、「大義がない」と云うが、衆議院の解散は総理大臣の専権事項であり、その権限行使に関して他から掣肘を受ける謂われは、本来、ない。 内閣を率いる総理大臣は、いついかなるときでも、衆議院が有権者の意思を正しく代表しているかを確認するために、これを解散し得る。その解散が不当なものかどうかを判断するのは有権者であり、その判断は選挙を通して表明される。それが議院内閣制の根幹のひとつでもある。 それに今回の解散総選挙の論点については、単に「アベノミクスの是非を問う」、「(公約した)消費税10%への増税の先送りについて、是非を問う」と云うだけにとどまらず、任期4年間の中間期に際し、これまでの第2次安倍政権の国家運営に関して実施された政策について、あるいはそれらが実施されなかったことに対して、その是非を問う、と云う意味合いがある。 これまでの様々な国家運営に関して実施された、あるいは実施されなかった政策──消費税8%への増税、集団的自衛権の行使容認の閣議決定、経済政策(いわゆる“アベノミクス”)、雇用対策、女性の雇用就労対策、国会議員の定数削減、等々──に対して、である。 ちょうど、米国議会における中間選挙に類似した意味合いである。 米国の中間選挙と決定的・根本的・本質的に違うのは、その結果がどうあれ、世界の情勢には、何の影響も与えない、と、云うことである。 日本の衆議院議員総選挙の結果如何にかかわらず、それからなんらの影響を受けることもなく、世界の情勢も、アジアの情勢も、粛々として進んで行く。 日本は、自己満足的お祭り選挙を行っている間にも、世界情勢、アジア情勢から、確実に取り残されて行く。 それが、今回の衆議院議員総選挙における、唯一の、確実な結果である。 |