2015.10.25 Sunday
お化けなんてないさ
むかし、
♪お化けなんてないさ、お化けなんてウソさ…… と、云う唄があった。 現在でもあるのかもしれない。 或る人の本に、こんなことが書いてあった。 息子さんを連れて遊園地のお化け屋敷に入ったときのことである。 「前に来たときには、お化けが怖くて泣いていた息子が、今度は、 『お化けなんていないんだ、お化けなんていないんだ』 と、必死になって、自分に言い聞かせている。」 そして―― 「息子は自分自身にそう言い聞かせることによって、内心の恐怖と、懸命に闘っている」 大人でも、或ることに遭遇して重圧を感じると、 「なに、こんなこと、大したことじゃない」 と、思いこもうと努める傾向がある。 自分の力では払い除けることができない重圧を、せめて少しでも緩和しようとする衝動から習得した、自己防衛反応の一種、と、云えるかもしれない。 7%を目指していた中国の経済成長率が、6.9%だった、いよいよ中国経済の破滅だ、いや、それもウソで、実は中国の経済成長率は、3%程度なのだ、と、騒いでいる国がある。 ほんとうは怖いくせに、あえてその怖さを抑えつけようとして、 「♪お化けなんてないさ、お化けなんてウソさ」 と、唄って、必死に内心の恐怖心と闘っている子どもみたいで、じつに微笑ましい。 |