2019.12.19 Thursday
トランプ米国大統領弾劾決議案可決
亀裂はもともと存在してたよ。ただ、〈リベラル〉という名の偽善のマントによって覆い隠されていただけでね。
その偽善のマントの裏で、多くの人たちが涙を流し、歯ぎしりし、汗を拭いてたのさ。 もしその人たちが自分たちの意見や生活を公言したなら――たとえそれが理に適った、真実の叫びであったとしても――、「保守」、「反動」、「頑固」、「差別主義者」、等々の罵声が容赦なく浴びせられたろうね。 ドナルド・トランプはその偽善のマントを剥ぎ取った。2016年の米国大統領選挙において、多くの民主党支持者が露骨に氏を非難攻撃したのは、自分たちがそこから利益を得ている「〈リベラル〉という名の偽善のマント」を剥がされるのを恐れたからだろう? 結果は民主党支持者たちの恐れたとおりになったね。 ヒラリー・クリントンの勝利を確信して、「もしドナルド・トランプが大統領になったら米国を出ていく」と、ドナルド・トランプやその支持者を揶揄嘲笑していたいわゆる”ハリウッド・セレブ”の連中がどんな大恥を掻いたか、もう忘れてしまったかね? 奴らは恥知らずにも、居直って、いまだに米国内で、一般の国民には想像も及ばないような、その豪奢な生活を続けてるみたいじゃないか。「平等」、「人権」、「リベラル」などと、唱えながら。 トランプ支持者を殴るのは、連中にとっては「暴力」ではないんだろう。それが反トランプ支持者の言う「リベラル」さ。 トランプの歴史上の意義は、現在のところ、米国の対立、分断、亀裂を顕在させ、先鋭させつつあることにある。後世、「先鋭させた」と、評価されるだろうな。 米国の今後の課題は、この対立、分断、亀裂を、どう克服するのか、だ。 反トランプ、民主党支持者たちが願うように、再び覆い隠してしまうのか、それともトランプがそうしつつあるように、よりいっそう先鋭化させ、激化させるのか。 歴史の正解は後者なんだけど、歴史上の現在を生きてるやつらは、前者を選択するだろうね。誰が好き好んで、シンドイ目に遇いたがるものか。 南北戦争直前の頃を考えてみよう。当時は、北部支持者も南部支持者も、米国の分裂は望んでいなかっただろうし、ましてや内戦は、何としても回避しようとしただろう。 しかし当時の米国の対立、分断、亀裂は、内戦を経ずしては解決できなかった。 結果、南北戦争という大きな犠牲を払って、米国の結合はよりいっそう強められた。たとえそれが、北部による南部の支配、という形で現象したとしても。 トランプは今回の弾劾決議案を乗り切ることはできるだろう。 問題はその後だ。 再選をはたして米国の分断、亀裂、対立を先鋭して米国史の新たな時代を迎えるのか、あるいは失速して米国をふたたび「偉大な眠り」に陥らせるのか。 これからの米国は、ナカナカ面白くなりそうだな。 |